田中松壽園は、もともと植木の生産農家でした。私は3代目です。初代の祖父と2代目の父が淡路島の断崖絶壁に生える黒松の若苗を仕入れ、それを枝づくりし、約50年を経たマツが園内にはところ狭しとあります。そんな環境で育った私は子どものころから畑や田んぼが大好きで、建設重機や農業機械も大好きで、機械を操る大人に話しかけては色々なことを教えてもらいました。自然の中で仕事をするということは、私にとっては当たり前のことでした。これからは植木の生産だけではなく、手に職を持った方がよいということで、造園業で修業をし、たくさんの方に助けられながら造園屋として現在に至ります。

建築物には完成というものがありますが、植栽は「完成」が始まりであり、日々成長し、季節ごとにさまざまな姿を見せてくれます。田中松壽園では、建築物やそこでの人の営みが自然と調和し、暮らしに彩りを与えるような、そんな庭づくりをご提案・サポートいたします。些細なことでも安心してお問い合わせください。今まで培ってきた技術と経験を活かし、今後もお客さまに納得し喜んでいただける仕事をしていきたいと考えております。

マツは日本の樹木として古くより、竹、梅とともに縁起の良い庭園樹として親しまれてきました。

なかでも、五葉松、黒松（男松）、赤松（女松）があり、赤松は葉，幹ともにしなやかで優しさのある姿で、主に京都の古い庭でよく見られます。黒松は対象的にごつごつとして荒々しくまた、力強く逞しく感じられます。主に黒松の産地は山陰（出雲）島松（四国、淡路）地方の海岸の誰も近づかないような荒地で永年春夏秋冬、強風浜風の厳しい自然の中で生き抜いた原木が逸品とされています。

先代が淡路島で黒松の原木を仕入れ、匠な技で長い年月をかけて枝を誘引し作り上げたのもが園内には存在します。